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Intellectual Property Hub Zambia: その発端

2023年4月

著者: Diana Mazonga氏、フリーランスライター (ザンビア、ルサカ)

Precious Gozwa氏は、ザンビアにおいて、Intellectual Property (IP) Hub Zambiaを通じて知財に関する認識を高め、その存在さえもあまり知られていなかった知的財産権の重要性を啓蒙しています。26歳のコンサルタント、Gozwa氏は、知的財産 (知財) という魅力的なテーマに取り組むことにより、ザンビアでの常識を覆しています。

Gozwa氏は、Intellectual Property Hub Zambiaの創設者です。同団体のミッションは、知的財産権の価値と重要性を浸透させるとともに、クリエイターや地域社会、そしてザンビアの経済発展のために、イノベーションや創造性を促進する環境を整備することです。

2017年にIntellectual Property (IP) Hub Zambiaを設立したPrecious Gozwa氏 (写真中央手前) は、ザンビアにおいて知財に関する認識を高め、その存在さえもあまり知られていなかった知的財産権の重要性を啓蒙することに使命を感じています。(写真: IP Hub Zambia提供)

IP Hub Zambiaは、2017年に誕生しました。同団体は、「知財の地図にザンビアを載せる」というGozwa氏の情熱と行動力により、発展を続けています。同団体の設立当時、Gozwa氏は、カッパーベルト大学の4年生でした。イノベーションや創造性に興味を持っていたGozwa氏は、知財に関する授業を選択科目として履修しました。その年、WIPOは、毎年恒例の世界知的財産の日キャンペーンで、参加国が記載された地図をウェブサイトに掲載していました。このキャンペーンは、社会、経済、文化の発展を支えている知的財産の役割について地域や国レベルで認識を高めることを目的としています。

「その地図をよく見てみると、世界知的財産の日を祝う世界中の多くの国々の中に、ザンビアが含まれていないことが気になりました」と、Gozwa氏は語ります。「この国にはイノベーティブでクリエイティブな人がたくさんいるのに、この催しで誰も取り上げられていなかったのです。」

このことがきっかけとなり、この重要なグローバル知財啓蒙キャンペーンでザンビアが注目されるようにするための取り組みが始まりました。Gozwa氏は、WIPOに連絡し、このキャンペーンのためにWIPOが毎年提供している多くのリソースを活用し、独自の世界知的財産の日キャンペーンを開始し、自分が通う大学の「アメリカンコーナー」で世界知的財産の日イベントを初めて開催しました。

ザンビア国内外における知的財産に関する認識の高まり

「自分の国とその可能性にとても情熱を感じています。ザンビアは、資源、美しさ、才能、創造性、そして豊かさに満ち溢れています。IP Hubでの私の目標は、ザンビアの素晴らしさを世界にアピールし、ザンビアの将来の発展を支援することです。」

2017年世界知的財産の日 (世界知的財産の日は毎年4月26日に開催されます) の前の1週間の間、Gozwa氏はその年のテーマ、「Innovation: Improving Lives (我々の生活をより豊かにするイノベーション)」に関連したキャンペーンをSNSで行い、同級生を説得して、知財に関する認識を高める運動も始めました。また、セミナーを主催し、70名以上の学生を集め、ザンビア特許企業登録局 (PACRA) の職員から、知的財産権が事業の成長や地域の発展をどのようにサポートするかについて直接話を聞くことができ、様々な発明家によって知財に関する知見や経験が披露されました。

2017年世界知的財産の日は、知財に関する認識を高
めるGozwa氏の取り組みの発端となりました。
世界知的財産の日を祝うためにSNSでキャンペーンを
行い、同級生を説得して、知財に関する認識を高める
運動も始めました。
(写真: IP Hub Zambia提供)

「イベントに人が集まるかどうかわかりませんでしたが、ありがたいことに、私のアイデアを実現するために、私の先生であったMwiya博士がいつも支援してくれました」と、Gozwa氏は語ります。その甲斐もあって、このイベントは知財の話題で大いに盛り上がり、大成功を収めました。

それから数年が経った今、Gozwa氏は、世界知的財産の日を祝うために国内の関連団体と協力しあうことを目標にしており、ナショナル・テクノロジー・ビジネス・センター (NTBC) やPACRAなどの組織と連携し、知財に関する認識を高めるイベントを全国で開催するための支援を得ています。Gozwa氏は、世界知的財産の日に関与することによって、ラジオやSNS、講演、知財セミナーなどを通じて、ザンビア全土の幅広い人々に情報を発信しています。

Gozwa氏は、ザンビアにおいて、中小企業などの企業が知的財産に関する認識を高め、知的財産を保護することを支援する無料の知財コンサルティングサービスを提供する、数少ない女性の一人となりました。

現在、Gozwa氏は、ザンビアにおいて、中小企業などの企業が知的財産に関する認識を高め、知的財産を保護することを支援する無料の知財コンサルティングサービスをザンビアの一般市民に提供する、数少ない女性の一人となりました。グローバル知的財産アライアンス の理事でもあり、アフリカ地域におけるGLIPAの知財アウトリーチ活動を共同でリードしています。GLIPAは、知的財産に関する認識、教育、コラボレーションを通じて、知的財産によってあらゆる人々の生活を向上させ、より豊かで持続可能かつインクルーシブな未来を創造するというビジョンを掲げる非営利団体です。

ザンビアの女性とその知的財産に関する可能性を引き出す

世界銀行によれば、ザンビアの人口は、女性が986万人、男性が960万人です。しかし、公式な記録をざっと見たところ、女性によるイノベーションへの参画は非常に低いままであり、女性が知的財産制度の利用に積極的でないことがわかります。これは瞠目に値する事実です。ザンビアの女性には、大きな潜在的可能性があります。では、ザンビアの繁栄する経済と持続可能な未来の構築に貢献できるよう、科学、技術、工学、数学 (STEM) や芸術の分野でキャリアを築くことをより多くの女性に奨励するためにはどうすればいいのでしょうか?

女性が夢を実現することにより国の経済発展に貢献できるような開かれた環境を整備するためには、複数のステークホルダーが協力することが必要です。主要な機関が、ダイバーシティとインクルージョンの原則を受け入れ、女性が事業の成長のために知財資産を創造し、保護し、管理することを積極的に奨励する政策や法的枠組みを開発するために協力する必要があります。

(写真: IP Hub Zambia提供)

ザンビア女性として、私の役割は、とりわけ、進歩性や創造性のあるアイデアを収益性の高いビジネスに変えるために知的財産権がいかに役立つかをザンビア全土の女性たちに知ってもらうことです。

Precious Gozwa氏

「ザンビア女性として、私の役割は、とりわけ、進歩性や創造性のあるアイデアを収益性の高いビジネスに変えるために知的財産権がいかに役立つかをザンビア全土の女性たちに知ってもらうことです。自分の殻を破り、変化をもたらし、ザンビアの社会的・経済的発展に貢献する女性が増え、この国がよりインクルーシブな知財環境へと徐々に歩みを進めていることを実感しています」と、Gozwa氏は語ります。「女性が主導する企業が増加していることは、正しい方向に進んでいることを示す有望な兆候ですが、知的財産権の効果的な利用から得られる利益をより多くの女性が活用できるようにするためには、やるべきことがまだたくさんあります。」

年齢中央値が17.6歳であるこの国で、Gozwa氏は、より多くの若い女性に知財を利用してもらうことを主眼に置いています。ザンビアの知識集約型経済の発展を牽引するのはこの若い世代であり、2030年までに豊かな中所得国になるというザンビアの目標を実現するには、女性の貢献が重要です。

2030年までに豊かな中所得国になるというザンビアの目標を実現するには、女性の貢献が重要です。

Precious Gozwa氏

野心的な若手バイオメディカルエンジニア

ソフトウェア開発者であり発明家でもある医用生体工学科3年生のRetiana Phiri氏は、現在、Gozwa氏とともに活動している数多くの優れた女性の一人です。Phiri氏は、ナショナル・イノベーション・イニシアティブと国連開発計画から2021年最年少発明家賞 (賞金5,000米ドル) を受賞するなど、多くの称賛を集めています。2019年に、Phiri氏は、月経、変形性関節症、子宮筋腫、尿路性器感染症に伴う痛みを和らげる治療器具、ピリオドコンフォーター (PEC) を発明しました。

弁理士を雇う資金がなかったため、Phiri氏は、特許を出願して発明を保護する方法を動画やオンライン教材によって独学で学びました。2021年に、Phiri氏は、仮特許を取得しました。この特許は現在審査中で、PACRAの承認を待っているところです。Gozwa氏とPhiri氏は、現在、Phiri氏が開発した他の2つの発明の特許を取得するためにチームを組んでいます。

「ザンビアで特許を初めて出願するのは、簡単なことではありませんでした。うまく出願するために必要な情報がなかなか手に入りませんでした。IP Hubのサポートを受けることができるようになって、本当によかったと思っています。より多くの女性がイノベーションの場で活躍する姿を見たいです」と、Phiri氏は語ります。

また、Gozwa氏とPhiri氏は、工学分野の若者に対して知財によってもたらされる機会に関する認識を高めるために協力しています。例えば、Evelyn Hone氏が運営するWomen in Engineering Institutionと協力し、市場性のあるイノベーティブなソリューションを開発するよう、工学分野におけるより多くの女性を奨励しています。

「私たちは、女性の才能を活かし、イノベーションを通じて変化を促すことができるようにする必要があります。一人でも多くの女性が夢を実現し、イノベーションや創造性のために才能を発揮できるよう、全力で支援し、刺激を与えていくつもりです」と、Phiri氏は語ります。

貧困をなくし、地球を守り、すべての人が平和と繁栄を享受することができるようにするための「持続可能な開発目標」の達成に向け、女性は重要な役割を担っています。

Precious Gozwa氏

未来への希望

「2023年世界知的財産の日は、「女性と知財―イノベーションと創造性を加速する力」という時宜を得たテーマでの開催となりました。より多くの有能で自信に満ちた女性が知財資産を世間に公表し、その価値を活用するようになることが、私の夢です。STEMやクリエイティブ産業で働いているかどうかにかかわらず、今は、あらゆる女性にとって、自分のユニークなアイデア、視点、才能を披露する重要な時期です。貧困をなくし、地球を守り、すべての人が平和と繁栄を享受することができるようにするための「持続可能な開発目標」の達成に向け、女性は重要な役割を担っています」と、Gozwa氏は語ります。

Gozwa氏は、若者たちが早い時期から知財に親しむことができるよう、高校教育に知財を組み込むために主要政府機関との協力関係を構築することを視野に入れています。(写真: IP Hub Zambia提供)

今後、Gozwa氏は、高校教育に知財を組み込むために主要政府機関との協力関係を構築することを視野に入れています。これにより、知的財産権や、その効果的な管理から得られる潜在的な機会を、若者たちに紹介することができます。同氏の夢は、主要なステークホルダーと協力して、知財に関する情報や知識のギャップを埋めることにより、イノベーションと創造性を促進し、ザンビア国内外の若者の起業家精神を刺激する、環境に優しい堅牢な知財制度の開発を支援することです。

WIPO Magazineは知的財産権およびWIPOの活動への一般の理解を広めることを意図しているもので、WIPOの公的文書ではありません。本書で用いられている表記および記述は、国・領土・地域もしくは当局の法的地位、または国・地域の境界に関してWIPOの見解を示すものではありません。本書は、WIPO加盟国またはWIPO事務局の見解を反映するものではありません。特定の企業またはメーカーの製品に関する記述は、記述されていない類似企業または製品に優先して、WIPOがそれらを推奨していることを意図するものではありません。