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韓国女性発明家協会: 女性のイノベーション事業を推進

2023年4月

著者: Kim Soonsun氏、KWIA会長 (韓国ソウル)

今から30年前の1993年、未来への展望を持った女性発明家数名が集まり、韓国女性発明家協会 (KWIA: Korea Women Inventors Association) を設立しました。設立の目的は、女性発明家による社会的な貢献に光を当て、知的財産 (知財) の有効活用により発明を収益化する機会を新しい世代の女性たちに提供することです。

設立当初、KWIAは、女性発明家のネットワークを構築し、その活動を支援することに重点を置いていました。しかし、2001年にKWIAが韓国特許庁 (KIPO) と協力して「女性発明振興事業」を展開したことで注目され、力の及ぶ範囲が拡大し、影響力を強めています。現在、KWIAは、「どこでも女性のアイデアを活かす」ことを理念としています。

KWIAの理念における重要な部分は、知財を用いることによって得られる経済的利益を女性が十分に活用できるようにすることです。(写真: KWIA提供)

女性発明家支援事業

「女性発明振興事業」は、女性発明家による社会への重要な貢献に光を当て、より多くの女性がイノベーションに携わることを奨励することを目指しています。また、知財を用いることによって得られる経済的利益を女性が十分に活用できるようにすることも目的としています。この事業では、発明の開発や商業化を成功させるために必要な知識、洞察力、スキルを得る機会を参加者に提供しています。発明を保護し、市場における価値を高めるには、どのようにして知的財産権を用いればよいか、順を追って説明することなども行っています。

また、KWIAでは、「女性発明創造教室」 (Women Inventors Creativity Class)、「どこでも女性のアイデア」 (Women’s Ideas Everywhere) 事業、「韓国国際女性発明大会」 (Korea International Women’s Invention Competition)、さらには「韓国国際女性発明フォーラム」に合わせて開催される「韓国国際女性発明展」 (Korea International Women’s Invention Exhibition) という、4つの旗艦事業を実施しています。

KWIAによる「発明創造教室」の参加者は、メンタリング、プロトタイプ作製支援、知的財産権の出願など、実践的な支援サービスを受けることができます。(写真: KWIA提供)

KWIAは、「どこでも女性のアイデア」事業を通じて、参加した女性に対し、専門家によるメンタリング、プロトタイプの作製、発明を保護するための知的財産権の出願などの支援を提供しています。こうした実践的な支援により、参加者は、将来、知的財産に関する課題を克服し、起業への道を歩むことができるようになります。

KWIAの事業によって、これまでに毎年2,200人以上の女性がイノベーションの歩みを始めています。

KWIAが主催する「国際女性発明大会」は、応募者のアイデアを弁理士、学者、マーケティング専門家などからなる審査員に評価してもらう場です。優秀な作品には、韓国国際女性発明展に出展する権利が与えられ、受賞のチャンスがあるだけでなく、発明の宣伝やマーケティングを行う絶好の機会となっています。

2022年韓国国際女性発明博覧会の参加者。この博覧会では、KWIAが毎年開催している国際女性発明大会の入賞作品を展示しています。(写真: KWIA提供)

女性の参画は増加傾向に

KWIAの事業によって、これまでに毎年2,200人以上の女性がイノベーションの歩みを始めています。多くの女性が、数々の発明を行い、起業家となって事業を成功させています。こうした重要な取り組みにより、女性による知財制度への参加も目に見えて増加しています。このことは、知的財産権を出願する韓国人女性が増えていることにも反映されています。

男女別知財出願状況

性別 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
男性 114,805 121,110 126,322 139,134 139,658
女性 36,698 40,852 47,235 55,708 62,402
合計 (女性の割合) 151,503 (24.2%) 161,962 (25.2%) 173,557 (27.2%) 194,842 (28.6%) 202,060 (30%)

図1: 韓国特許庁 (KIPO) に提出された男女別知財出願件数。(出典: KIPO 2022年知的財産統計)

事業の成長を促進

KWIAの2018年「どこでも女性のアイデア」事業に参加したLim Sujin氏は、スペースが限られている賃貸住宅で使用する「DIYフェイクウォール (にせの壁)」のアイデアを思いつきました。

Lim Sujin氏は、プロトタイプを開発・改良するうちに、自分のアイデアを商品化して市場に出したいと思うようになりました。「KWIAの事業は、私にとって素晴らしい機会でした。私のアイデアを事業化するために必要な情報、支援、自信、そして知的財産権を与えてくれたのです。この事業を通じて、特許を取得することができました。特許は、私が事業を拡大する際に、市場での競争力を維持するのに役立ちます」と、Lim Sujin氏は説明します。

事業に参加した後、Lim氏は、政府からスタートアップ助成金を支給され、発明を市場に送り出すことができました。2020年の発売以来、Lim Sujin氏のDIYフェイクウォールは1,000か所以上に設置され、知財を活用した同氏のスタートアップは、今後の成長に大きな期待が寄せられています。

発明家になる: 女性が直面する課題への解決策?

韓国では、30代の女性の多くが、出産や介護などによるキャリア中断に悩んでいます。女性の就業率は、一般に20代でピークを迎えます。その後は、図2 (下図) に示すように、30代になると急激に低下し、40代になると再び徐々に上昇する傾向があります。

2021年の年齢別女性就業率 (韓国とOECDの比較)

図2: 韓国の年齢別女性就業率 (出典: 雇用労働省とOECDの2021年雇用労働統計)

私たちは、女性が労働市場の制約から解放され、アイデアを現実味のある事業機会に変えるのに必要な知財の知識やスキルを備えた独立した発明家になるための新しい機会を創出しています。

さらに、女性が40代で見つけられる仕事は、キャリア中断前に就いていた仕事よりもレベルが低いことが一般的です。これは、高学歴の女性にも言えることです。こうした傾向を政府の介入なしに変えることは困難です。

KWIAは、発明振興活動を通じて、女性がこの課題を克服することを支援しています。私たちは、女性が労働市場の制約から解放され、アイデアを現実味のある事業機会に変えるのに必要な知財の知識やスキルを備えた独立した発明家になるための新しい機会を創出しています。

女性が活躍できる機会をグローバルに創出

KWIAは、世界初の女性発明家のための協会です。この30年間、私たちは、私たちの暮らしを向上させる新しい技術や製品の開発において女性が大きく貢献していくことを推進するために、たゆまぬ努力を続けています。私たちは、女性が成長し、知識や経験を共有できるような研修事業と国際的なネットワークの両方を通じて、女性発明家をグローバルに支援する積極的な役割を今後も果たしていきます。

今年の「世界知的財産の日」キャンペーンが、女性と知財に焦点を当てたものであることに、私たちは感激しています。近年、発明を保護するために知財制度を利用する女性の数は増加傾向にありますが、そのスピードは緩やかなものです。私たちは、イノベーションの仕事に参画することをより多くの女性に奨励し、こうしたイノベーションをもとに、成長するベンチャー企業を創立するために、知的財産権に関する十分な知識が得られるよう、努力を重ねていく必要があります。

韓国国際女性発明フォーラムは、女性発明家が優れた発明を披露する場です。(写真: KWIA提供)

私たちは、イノベーションの仕事に参画することをより多くの女性に奨励する努力を重ねていく必要があります。

2023年7月には、4年ぶりに、KWIAが「韓国国際女性発明フォーラム」を対面イベントとして開催します。女性発明家の国際的なネットワークを拡大・強化する取り組みに新たな弾みをつけ、KWIAの将来の展望を共有する素晴らしい機会となることでしょう。

今年のフォーラムで世界中の女性たちが再び集い合い、2023年韓国国際女性発明博覧会で女性による優れた発明を披露できることを嬉しく思います。これからも、世界中の女性発明家を支援するために、あらゆる人が恩恵を受けられるよう、あらゆる場所で力を合わせていきましょう。

WIPO Magazineは知的財産権およびWIPOの活動への一般の理解を広めることを意図しているもので、WIPOの公的文書ではありません。本書で用いられている表記および記述は、国・領土・地域もしくは当局の法的地位、または国・地域の境界に関してWIPOの見解を示すものではありません。本書は、WIPO加盟国またはWIPO事務局の見解を反映するものではありません。特定の企業またはメーカーの製品に関する記述は、記述されていない類似企業または製品に優先して、WIPOがそれらを推奨していることを意図するものではありません。